SNSの普及に伴って、梅毒が増えているという報道がありました。
コロナ禍では親しい人と会うことが減った反面、SNSでつながった不特定多数の人との性行為が増え、それが原因になっているとも言われています。
岡山はもともと人口に対する梅毒患者の比率が、全国でも10位以内となる高い地域。
新たに原因となる要素が増えたことで、感染者がより増えてしまうことが心配されています。
性病を疑う場合は、梅毒の検査も同時に受けましょう
当院では梅毒の検査を行っており、性病を心配されて受診する患者さまの多くは最初、梅毒ではない他の性病を疑って来院されます。
ただ当院では性病の心配がある以上、梅毒の検査も受けることをおすすめしており、その際に陽性が判明することはよくあります。
検査はあくまで任意ですが、性病の心配がある場合は、必ず梅毒の検査も受けておくのがよいでしょう。
患者さまのなかには「検査を受けると、親やパートナーに知られるのではないか」と心配される方がいらっしゃるのですが、検査結果が無断でご本人以外の方に通知されることはありません。
症状は陰部に現れるため、受診しづらいと言われる方もおられますが、検査は血液検査ですので、視触診に抵抗があるなら、まずは検査だけでも受けてみてください。
梅毒の検査は内科などで受けられますが、昔かかったときの抗体が残っていたり、完治していても陽性反応が出たりして判断が難しい場合があります。
可能であれば専門科がある大きな病院や、泌尿器科などで検査することをおすすめします。
無症状や軽症の方こそ要注意
江戸時代の遊郭などを描いた漫画や小説を読むと、梅毒にかかって亡くなったり、鼻など体の一部がなくなったりするという描写を見かけます。
けれど梅毒が不治の病だったのは昔の話で、今は薬を服用すれば重症化することなく完治させることが可能です。
初期症状としては陰部に赤みがあったり、傷ができていたりすることが多く、この段階で治療ができれば、9割近くの患者さまが1~2ヶ月程度の服薬で完治できます。
梅毒は初期に治療をしていない場合でも症状は一旦治まり、1~2年後に皮膚に反応が出て、引いては出てを繰り返しながら悪化していきます。
一方でこの病気は時間が経っても全く症状が現れないことや、「手荒れが激しい」といった程度から進行しないこともあるのが特徴。
ただ梅毒は軽症でも無症状でも、性行為を通じて他人には感染するので注意が必要です。
もしパートナーや性交渉を持った人が梅毒に感染したことがわかったら、ご自身も検査を受け、反対にご自身が梅毒に感染しているのであれば、パートナーや交渉のあった人には検査を受けることを勧めてください。
検査と治療にかかる費用
梅毒の治療にかかる費用は、健康保険(3割負担)を使用する場合、
・検査:3,000円前後
・治療・薬(4週間分):3,000円程度
となり、1回あたり数千円〜1万円程度となります。
治療は経過を観察しながら月に1回血液検査を行い、結果が陰性になるまで続けます。
前述の通り、梅毒は初期であれば完治する病気で、治療も1~2ヶ月程度の服薬で済みます。
もしかしたら…と感じたらすぐ検査を受け、拡大の防止と大切な方を守る行動を取ってください。
ご心配や不安なことがあれば、当院でもご相談を受けつけておりますので、お気軽にご相談ください。
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平松医院は岡山市北区磨屋町で
呼吸器科・内科・泌尿器科・皮膚科
の診療を行っています。
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