高齢者のワクチン接種が進み、64歳以下の接種も始まりました。
今後若い世代の方も対象になっていくことを踏まえ、不安の声が多い「妊婦さん、授乳婦さん、16歳以上の未成年の方、そして小学生以下のお子さん」の接種について、現在わかっていることをお話ししたいと思います。
妊婦さんや授乳婦さんのワクチン接種について
現在、日本で主に使用されているファイザー社やモデルナ社製のワクチンは、遺伝子を体内に入れることによって抗体を作ったり免疫反応を引き起こしたりするタンパク質を作らせるもので、ワクチンそのものは長く体に残りません。
出産後の接種で問題が起こったという報告や、授乳中の方が接種して母乳に影響が出たという報告はありません。
またワクチンの接種が進んでいるアメリカでは、1回目の接種の後に妊娠が発覚したという人もおられますが、流産が増えたという報告や、生まれた赤ちゃんに通常より多くの異常が見られたといった報告もありません。
ワクチンにも様々な特徴があるため、一概に「ワクチンは妊婦さんや授乳婦さんにとって安全なものだ」とは言えませんが、今回の新型コロナワクチンについては不安要素の少ないワクチンであると言えます。
ただ妊娠中や産後はそうでないときとは違い、心配される方が多いと思います。
健康に問題がなければ接種をおすすめしていますが、ワクチンの接種は強制ではありません。
対象となる年齢が拡大されれば、厚生労働省や県、市などの自治体でも窓口が設けられると思いますので、ご自身の状況に照らし合わせて問い合わせをしてください。
そういったサイトでは情報が見つけにくいと思われる方は、アメリカで医療に関わる日本人の方が新型コロナウイルスについての情報を発信している「こびナビ」もおすすめです。
16歳以上の未成年、そして小学生以下の接種はどうなる?
ワクチン接種の対象年齢は現在、16歳を最年少としています。
これはファイザー社のワクチンが16歳までの治験を完了しており、一定数以上の信頼できるデータがあることを示しています。
ただ16歳としていることに明確な理由はなく、中学生と高校生の間で区切ったということではないかと私は推測しています。
厚生労働省がこの年齢でのワクチン接種を可能としているということは、高い安全性が確認されているということなので、健康や精神面に不安がなければ接種されることをおすすめします。
また現在、小学生以下の接種は推奨されておらず、早急に接種を迫られることは考えにくい状況です。
「子どもの間では以前に似たような型が鼻風邪程度で流行し、免疫を獲得している子が多いのではないか」という説や、「子どもは免疫ができていないから、ウイルスに対する反応が弱いので重症化しにくいのではないか」といった様々な説がありますが、厚生労働省や文部科学省が推奨とするまでは、慌てることなく様子を見ることをおすすめします。
妊婦さんや授乳婦さん、そしてこれから妊娠を考えられる方、未成年の方やお子さんについての接種は、健康な成人との違いもあり、一概に判断できない部分がたくさんあります。
主治医や専門家、相談窓口などでその時々に必要な情報を集め、冷静に判断してください。
健康であれば接種はおすすめしていますが、接種は任意で、選ばない方が非難されるべきではありません。
ワクチンを接種した方もしていない方も等しく、手洗い・マスク・ソーシャルディスタンスを守り、社会全体でウイルスをなくしていきましょう。
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