早い梅雨を迎え、ようやく花粉のシーズンが終わりました。
とはいえ、来年の春も同じような苦しみが待っていると思うとやりきれません。
「花粉症のつらさをどうにかしたい」と考えている方は、この機会に舌下免疫療法に取り組んでみませんか?
体を少しずつスギ花粉に慣らし、アレルギー反応を抑えていきます
「舌下免疫療法」はスギから抽出したタンパク質を少しずつ体内に取り込み、白血球に「攻撃する必要のないものである」と覚えさせる療法です。
白血球が「常に体内にあるもの」と判断すると花粉に対する攻撃がなくなり、アレルギー反応を起こさなくなるのです。
スギ花粉症とダニへのアレルギー症状に対し、現在唯一の根本治療といえる治療法ですが、この療法は「少しずつ」が肝心。
数年かけて体を慣らし、アレルギー症状を抑えます。
【舌下免疫療法】
◎治療方法
1日1回「舌の下」に錠剤を置き、とけたら飲み込む
5~10分間は飲食禁止
毎日服用 3年以上推奨
◎対象となるアレルゲン
スギ花粉、ダニ
◎開始時期
スギ花粉:花粉の飛散がなくなる7月頃
ダニ:通年
◎料金
初診:7,000円前後(血液検査を含む)
再診料及び薬代:およそ2,000~3,000円(3割負担の場合、薬1ヶ月分)
※健康保険が適用されます
舌下免疫療法の副作用と、効果が出るまでの期間と持続期間
舌下免疫療法は人によって効果の違いが大きく、1年目から症状が抑えられる方もいれば、効果が感じられるまで2~3年かかる方もいます。
舌下免疫療法の薬を服用しながら、アレグラなどの薬の量を少しずつ減らしていくことも可能です。
デメリットはスギ花粉とダニにしか適用されないことと、2~3年服用しても、効果を感じられない方が1~2割程度はおられるということ。
薬はスギのタンパクからできているため比較的安全で、副作用はほとんど報告されていません。
ただアレルギーの原因となる物質を口に入れるので、服用を始めた最初の1ヶ月は口の中が荒れたりかゆみを感じたりされる方も。
そのため最初の2~3回は、2週間に1度の受診で薬に対する反応を観察しながら薬を処方していきます。
その後は基本的に1ヶ月に1度診察を受けていただき、治療を続けます。
多くの方は2~3年薬を飲み続けると、その後5~6年、長い方では10年程度効果が持続することがわかっています。
舌下免疫療法は、厚生労働省の指定する研修を受けた医師のみ可能ですので、治療を希望される方は薬の開発元である鳥居薬品のホームページから対象となる医療機関を検索してください。
当院でも治療を行っていますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。
花粉症に悩むすべての方、なかでも将来、妊娠や出産の可能性がある女性、受験などを控えた方など。
薬が効きづらい、飲めない、飲みたくない時期があるといった方は、ぜひ早めに舌下免疫療法を試してみることをおすすめします。
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平松医院は岡山市北区磨屋町で
呼吸器科・内科・泌尿器科・皮膚科
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