スギ花粉の最盛期が過ぎ、ヒノキの花粉が飛散のピークを迎えようとしています。
くしゃみ、鼻水などの症状だけでなく、目のかゆみや花粉皮膚炎と呼ばれる肌トラブルに悩まれる方も。
当院でも、花粉が原因となる症状での皮膚科受診が増えています。
今日は花粉症をしっかり抑えていくための、効果のある薬の見つけ方を紹介します。
アレルギーの原因はわからないことが多い
花粉に限らず、アレルギー症状を持つ患者さまには血液検査を行うことがよくあります。
原因を特定することでそれを取り除き、より効果のある薬を処方することが目的ですが、アレルギーは原因を特定できないことが少なくありません。
現在多くの病院で実施されているアレルギー検査は、およそ40種類の花粉や食べ物、カビなどの原因を特定していくものです。
一方で人が生活のなかでふれるものは、40種類にはとどまりません。
「症状があるから検査をしたけれど、どれも当てはまらなかった」という結果が出ることは珍しくないのです。
そのため当院では、花粉症を含めたアレルギー症状に対し、ステロイドや抗アレルギー剤を組み合わせ、患者さまごとに合う薬を見つけていくという方法をとっています。
薬を処方した後は2週間ほど様子を見て、継続するか変更するかを決めていきます。
「強い薬だからよく効く」は間違いです
症状の強い患者さまのなかには、「効き目の強い薬がほしい」とおっしゃる方がおられます。
けれど花粉症の薬に強い、弱いという違いはほとんどありません。
また「効き目が強いから眠くなる」わけでもありません。
花粉症の薬には、
- 炎症を起こす原因となっている白血球の動きを抑えるもの
- 炎症を起こしている白血球が、他の白血球の動きを活発にすることを抑えるもの
など、様々な特徴があります。
眠くなるのは、血管の中から脳への移動が多いという特徴を持っているから。
効くか効かないかは薬の強さではなく、これらの特徴が服用する方に合うか合わないかが最大の決め手になります。
ご家族でも、同じ環境で過ごしている人でも、薬の効き目が違うのはこのため。
「薬を飲んで症状をしっかり抑えたい」と思われるのであれば、
- 花粉が飛散する前から薬を服用する
- その日の飛散量や活動場所を考慮し、マスクやゴーグルなどの対策を行う
- 専門医を受診し、自分に合う薬を根気強く見つける
ことがポイントになります。
春の花粉は梅雨に入るまで飛散します。
「もうシーズンに入ったから」とあきらめず、来年の春を気持ちよく過ごすためにも、今から花粉症対策に取り組みましょう。