コロナの影響で、輸入に頼っていた食材や物資が不足したり、価格が上がったりしていると言われています。
少し前には「薬が不足してきている」という報道もあり、現在治療中の方や、健康に不安のある方は心配されたと思います。
そこで今回は、メディアを賑わせた「薬不足」について説明したいと思います。
報道された薬不足には、それぞれに特別な理由が
2021年末、「薬が不足している」という情報がメディアで取り上げられました。
コロナによる物資の不足と重なったこともあり、「コロナのせいで薬が生産できなくなっているのではないか」と思われた方もいらっしゃったかもしれません。
ただ不足している薬にはコロナではなく、それぞれに違った理由があり、現在のところ、過度に心配する必要はないことを知っておいていただければと思います。
まず当院でいえば、禁煙外来で処方している薬が不足しています。
全国的に流通していないのですが、原因は輸出元の海外で原材料にカビが発生したこと。
保管されていた原材料の中にカビが見つかり、さらにそれが発がん物質を含んでいたため、調査のために一旦輸出がストップしました。
またとある製薬会社の倉庫で火災が発生し、その会社が生産していた薬に限って供給できなくなってしまったというケースも。
薬が処方できなくなった場合は必ず医師が理由を説明し、代わりになる薬を処方しますので、不安があればご相談ください。
「必要のない薬はやめる」は正解なのか?
また薬不足を伝える報道では、「必要な人に薬を行き渡らせるため、必要のない薬を飲むのをやめるべき」とのコメントも紹介されていました。
現在のところ薬不足はコロナが原因ではないので、このコメントは多少的を得ていない部分があるのですが、ただ実際に「必要のない薬はやめるべき」という意見は正解です。
理由はまず、どんな薬にも必ず副作用があること。
作用の強さや種類は異なっても、市販薬でも漢方薬でも副作用はありますので、「心配だから」という漠然とした理由で薬を服用することはやめましょう。
また薬にはそれぞれ半年から1年程度の有効期限があり、悪い影響を及ぼすことは少ないものの、それを過ぎれば効果は得られにくくなります。
「なんとなく不安で」、「病気になったら怖いから」といった理由で薬を服用するメリットはありませんので、不安があれば医師に相談して的確なアドバイスを受け、今健康であるなら、調子が悪くなったときに症状に合う薬を処方してもらってください。
ある病気に対して「この薬しか効かない」といったケースはまれで、同じ効果を持つ別のメーカーの薬に変えたり、複数の薬で効果を補ったりするなどの方法がありますので、主治医の指示に従ってその時々に必要な薬を服用してください。
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