ようやく落ち着いてきたと思われたコロナの感染者数が、オミクロン株の流行によって再び増えてきています。
感染者数が急激に増えるなど、これまでとは違った傾向もあるため、不安を感じていらっしゃる方も多いと思います。
そこで今回は、流行しているオミクロン株と感染状況をどうとらえるべきかについて考えました。
軽症なら大丈夫ではない、感染者数を抑えるべき理由
現在猛威をふるっている”オミクロン株”は、感染力が高いと言われる一方、重症化しにくいとの情報があります。
「すでにインフルエンザや風邪と同じような病気である」と言われる方もいますが、多くの方が軽症で済んでいるとしても、感染者数は抑える必要があります。
たとえばこれまでのコロナが、感染者100人に対して1人が重症化する特徴を持っていて、オミクロン株は1000人に1人しか重症化しないとしても、感染者数が10倍や20倍に増えたら重症化する人の数は同じかそれ以上。
ほとんどの方が軽症だとしても、重症化された患者さまのために必要になる病床や人工呼吸器、ICUなどの数は少なくなりません。
またコロナで重症化された方のためにそれらの使用率が上がると、心臓や肺、脳の病気などコロナ以外で重い疾患を抱えた患者さまの治療に使える機器が少なくなります。
コロナだけでなく、あらゆる病気を持つ方に必要な医療を届けるためにも、コロナの感染者数を抑え重症化する人を一人でも減らす必要があるのです。
海外で広がるノーマスク、ノーガード、日本ではどうするべき?
海外ではすでに、マスクをしないことや、ワクチン接種を条件にコロナに対して特別な予防をしないことを政府が公認し始めた国があります。
ただその背景には政治的な理由や、日本人のようにコロナ前からマスクを使う習慣がなかったという文化的な理由があり、必ずしも感染者数が減っているわけではないことに注意しなければなりません。
「感染の原因がデルタ株からオミクロン株に変わるのが早かった」といった情報も、もともとはアメリカでの統計であり、日本人にあてはまるかどうかはあいまいでした。
今後もオミクロン株がどのように広がるのか、コロナをどう防いでいくのかは日本や個々の家庭の状況など、それぞれで判断しなければなりません。
経済の回復はすでに待ったなしの状況ですが、「アメリカが正しい」、「ヨーロッパが進んでいる」といった判断を下すのは非常に難しいことです。
手洗い・マスク・ソーシャルディスタンスが感染予防に効果があることには変わりません。
まだしばらく息苦しい日々が続きますが、正しい情報をもとにこれからについて考えられたらと思います。
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