暑さが落ち着き、朝晩は過ごしやすくなりました。
Gotoキャンペーンも実施され、全国がににぎわいが戻りつつあるようです。
今回は、寒くなるまでは悩ましい「蚊」と、乾燥の季節ならではの「空気感染」についてお話しします。
蚊が新型コロナウイルスを媒介する心配はない
涼しくなっても蚊の活動は活発で、短時間でもあちこち刺されてしまう方がおられます。
かゆみだけで済めば大きな問題にはなりにくいのですが、今年は「蚊がコロナウイルスを媒介するのではないか?」という不安を時おり耳にします。
実際に日本脳炎やマラリア、デング熱といった病気は、蚊が媒介することがわかっています。
一方でこれらの病気を媒介する蚊は、
日本脳炎・・・コガタアカイエカ
マラリア・・・シナハマダラカ・コガタハマダラカ
デング熱・・・ネッタイシマカ・ヒトスジシマカ
といったように、種類が特定されています。
蚊が病気を媒介するには、
①ウイルスの含まれた血液を蚊が吸う
②ウイルスが蚊の中で増える
③増えたウイルスが蚊の唾液を通して人間の体内に入る
という何段階かのあいだウイルスが生きていることが前提となりますが、現在、新型コロナウイルスが蚊の中で生き続けるという事実や、蚊を介した感染は確認されていません。
過度に心配せず、かいた箇所からばい菌が入らないよう注意してください。
新型コロナウイルスは空気感染する?
秋から冬にかけては過ごしやすい反面、乾燥が気になります。
新型コロナウイルスは飛沫による感染が確認されていますが、メディアでは空気感染の可能性が取り上げられることも。
先日もWHOがエアゾル感染を認めたと大きなニュースになりました。(WHOはその後発表を撤回しています)
ウイルスは目に見えないので、不安になりますね。
空気が乾燥すると飛沫に含まれる水分が少なくなるので、湿度の高い時期に比べると遠くまで飛びやすくなります。夏は感染が少なくなると言われた理由も、ここにあります。
ただ「水分がなくなり、ウイルスだけになった状態でどれほどの時間生きていられるか?」という点については、多くの専門家がそれほど長くは生きられないと考えています。(2020年10月3日現在)
また、ほとんどのウイルスは水分とともに地面に落ちるので、それが再び空気中をフワフワ漂う可能性は非常に低いと考えられます。
新型コロナウイルスがどれほど乾燥に強いのか、乾燥後にどれほどの感染力を維持するのかは明らかになっていませんが、現在、空気感染が確認されている病気は、結核・麻疹・インフルエンザ(ほとんどは飛沫感染)のみ。
新型コロナウイルスに空気感染の可能性があるとしても、それらの病気と同様の感染力があるとは考えにくいでしょう。
あいまいな情報に振り回されるのではなく、マスク・手洗い・ソーシャルディスタンスを徹底し、基本的な感染予防を大切にしてください。